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★「教師力アップセミナー」に想う

公開日
2014/10/15
更新日
2014/10/15

管理人室

10/13(月)先生方の私的な勉強会である「教師力アップセミナー」に参加させていただきました。

台風が接近している不安定な天候にもかかわらず、各地からたくさんの先生方が自費で参加されており、勉強熱心な姿に感心しました。

講師は、千葉県にある植草学園大学の名誉教授の野口芳宏先生です。
国語教育がご専門ですが、教育全般に関わる、幅広いお話を伺うことができました。

印象に残った「道徳教育」についてご紹介します。


●道徳が教科になるということ

「道徳が教科化される」というニュースは、多くの保護者の皆さんもご存じだと思います。

先日、「文部科学省が2018年度から道徳の教科化を始める方針を決めた」というニュースが流れました。

3年後には、道徳も、国語や数学などと同じように「教科」となります。


「教科になる」ということが、何を意味するのか?

それは「教科書が必要」になる、ということと、「評定が必要」になるということです。

現在も、学校では道徳の授業が行われていますが、「教科書」はなく、副読本と呼ばれる資料が使われています。

そしてもちろん評定はありませんから、通知表には「道徳」の項目はありません。

これが「教科」となることで、教科書が作られ、通知表に評定が載ることになるのです。

教科書の作成はこれからのようですし、評定についても、詳しいことはまだ定まっていないようです。


「評定がつく」ということで、保護者の皆さんはどう思われるでしょうか?

もしも「2」や「1」のように、低い評定になってしまったら「うちの子はダメな人間だ」と烙印を押されてしまったような気持ちになるかもしれませんね。

ですから、道徳の評定については、いろいろな意見があり、決定するまでには多くの難しい問題があるようです。


●価値観の押しつけ?

今の世の中は、「個性の尊重」や「多様性を認める」ということをもてはやす傾向があるように見受けられます。

もちろん「みんな違って、みんないい」という、自分とは違う価値観を認め合うことは大切なことだと思います。

そう考えると、道徳の授業で「好ましい態度」や「思いやりを持つ」などを一方的に教えることが、「価値観の押しつけだ」とする意見もあるそうです。


では、道徳で何を教えればいいのでしょうか?

野口先生は「義務教育の間は、土台を作る時期だ。だから、道徳の基礎・基本をしっかり教えるべきで、物事の是非をきちんと教えなければならない」とおっしゃいました。


人は、一人で生きているわけではなく、誰かと関わりながら生きています。それが社会です。

社会には「ルール」が存在し、そこで生きる人々は、そのルールを守っていかなければならないはずです。

そこで「私はやりたくないから守らない」という個人の価値観を受け入れてしまうと、ルールが崩れてしまいますね。

ですから、「基礎・基本」をしっかり教える、ということは、みんながルールを守れる社会のためにも必要なことだと感じました。


子どもたちは、将来の国を担っていく存在です。

その大切な「日本人のたまご」を育てているのは、学校の先生だけでなく、私たち保護者もそうですね。

「自分がよければ、他のことはどうでもいい」という日本になるのか、世界から賞賛された「試合に負けても、会場のゴミ拾いをして、感謝の気持ちを表す」ことができる日本であり続けたいのか、「こんな日本であってほしい」という大人たちの思いに沿って、「そんな日本を作ってくれる日本人を育てる」という観点で、学校と家庭や地域が協力していけるといいですね。

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日ごろ、ほとんど考えることのない「道徳」について、いろいろと考えるきっかけになりました。

保護者の皆さんも、この機会に「道徳」のことを考えてみませんか?

「正しい答え」があるわけではありません。

でも、私たち大人が考えなくてはいけないことのように感じています。

ぜひ関心を持っていただけるといいなと思います。


貴重なお話をしていただいた野口芳宏先生に感謝するとともに、参加の機会を作っていただいたセミナー運営の先生方にも、心から感謝しています。

ありがとうございました。

(PTA会長 斎藤)


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