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★「第11回ゲスト道徳」で大人の学び(1)

公開日
2015/02/26
更新日
2015/02/26

管理人室

2/20(金)「第11回ゲスト道徳」が、1-6と1-2で行われました。

【PTAの部屋】★2/20 「第11回ゲスト道徳」を参観

今回のゲスト、田島典夫さんは、小牧消防署の救急救命士をされています。
授業の中で印象に残ったことをご紹介します。


●阪神淡路大震災のこと

教室の大型ディスプレイに、燃え盛る家、つぶれたビル、傾いた高速道路などの写真が映されました。
20年前に起きた「阪神淡路大震災」の様子です。

田島さんは、このとき、消防士になって3年ほどの若者で、小牧から神戸へ応援に行くことになりました。
昼に出発し、神戸へ着いたのは夜。
周りは真っ暗で、物音一つしない静けさに包まれていました。もちろん人影もありません。焦げ臭いにおいがあたりに立ち込め、ただサイレンが一晩中鳴り響いていたそうです。

次の日の朝、救助活動に出かけました。
街は、地震でことごとく破壊され、あちらこちらで火事が発生していました。
つぶれた家の中に閉じ込められた人がたくさんいました。
助けたくても、がれきに阻まれて、どうすることもできません。
火事はどんどん広がっていました。
消火のための水がなく、ただ見ていることしかできません。

そんな神戸での応援活動で3日間過ごし、小牧に帰ってきたとき、田島さんは、深い「無力感」を感じられたそうです。


●なぜ、無力だと感じたのか

先生は、子どもたちに、こう問いかけました。
子どもたちは、田島さんの思いを想像して、いろいろな意見を出してくれました。

・くやしかった。
・直接助けることができなかった。
・火が強すぎて消すことができなかった。
・まだ助けられる人がいた。
・たくさんの人を助けることができなかった。
・助けられなくて、家族を悲しませた。
・一人の力ではどうにもならなかった。
・街のひどい状況は変わらない。

田島さんは、消防士として応援活動に参加されました。
しかし火を消すことはおろか、結局一人の人もがれきの中から助け出すことができなかったそうです。
「自分たちは、最後の砦だ」という意識を持って現地に行った田島さんは、災害の凄まじさの前に何もできなかったことに、強い衝撃を受けたそうです。
それは強い無力感になりましたが、「もっと人が助けられるようになりたい」という気持ちにも火を付けてくれました。
その経験があったからこそ、田島さんは「救急救命士」の資格を取ろうと決意をされたということでした。