「夜の小牧中学校」で大人の学び (2)
- 公開日
- 2012/08/17
- 更新日
- 2012/08/17
総務委員会
「第1回 親子で学ぶ夜の小牧中学校」での大人の学びの2回目です。
前回は、落語家の芸について、学んだことを書きました。
今回は、職業としての落語家について、学んだことを書きたいと思います。
●落語家の修行
弟子入りするには、直接押しかけるのですね。
それも、本人の気が済むまで何度でもOK、というところがいいですね。
普通の就職で採用試験に落ちたら、何度でも挑戦することはしません。
そういう意味では、本気でやる気のある人には開かれた世界なのかもしれません。
実際は、紅雀さんのようにガッツのある方は少ないのでしょうが。
弟子入りが許されると、師匠のお宅に住み込みです。
そうなると、24時間ずっと師匠と一緒、ということになります。
中には、イヤになって出て行ってしまう人もいるのでしょうね。
紅雀さんもおっしゃっていましたが、師匠の奥様がエライ!と思います。
師匠が弟子入りを認めた人なら、文句も言わず受け入れる・・・なかなかできることではないと思います。
偉大な芸人には、偉大な奥様が付いている、ということなのでしょうね。
弟子にお財布を預ける、というのも驚きでした。
「信頼しているよ」「信じているよ」という気持ちの現れなのでしょうが、そこまでできる人は、あまりいないですよね。
師匠の器の大きさもさることながら、それを受け止める弟子に、その信頼に応えようとする気持ちがなければ、うまくいかないでしょう。
素晴らしい師弟関係を教えていただきました。
稽古の付け方にも、いろいろあるそうです。
枝雀師匠は「口伝」で稽古をされた、というお話しでした。
言葉で言われたことを、その場で覚えるのは、とても難しいでしょう。
紅雀さんも「稽古の後で、必死にノートに書き写した」とおっしゃっていましたが、陰でたくさん努力をされたことだろうと思います。
私たちも、人の話は聞いただけでは覚えられないし、すぐに忘れてしまいます。
大事だと思うことは、やはりメモを取る習慣を身に付けたいなと思いました。
●落語家という職業
落語家さんは、いわゆる芸能人ですね。
ですから、売れっ子かそうでないかで、収入も全然違うそうです。
当然、テレビなどでよく見る有名な落語家さんたちの年収は相当なものですが、そうでない場合は、落語の収入だけでは生活できないことも多いようです。
弟子入り修行中は、師匠のお宅で「衣食住」は保障されていますが、独り立ちすると、とたんに厳しい現実に直面するそうです。
それでもがんばれるのは、やはり「落語が好き」という気持ちがあるからなのでしょうね。
いろいろな苦労話をお聞きしていると、紅雀さんの人柄のすばらしさもあって、ますます応援したくなりました。
●落語家の身分
まず、東京と上方(大阪)では、身分制度が違うということは驚きでした。
東京では、簡単にいうと、以下のような仕組みになっています。
○見習い・・・師匠のお宅に住み込み、身の回りの世話など雑用をする。
○前座・・・師匠から名前をもらえる。師匠宅での雑用以外に、寄席での雑用も加わる。たまには前座を務めることもできるが、お金はもらえない。
○二ツ目・・・ようやく一人前と見なされる。羽織、袴を着ることを許されたり、自分で落語会などを開くことも許される。落語でお金がもらえる。
○真打・・・「師匠」と呼ばれる立場になる。
一方、上方ではこのような仕組みがないとのことでした。
紅雀さんは、入門されてから18年になるということでしたので、立派な「真打」ですね。
本物の落語家さんから、生で落語を聴けて、直接お話しを伺うことができた、ということは、とても貴重な体験でした。
お忙しい中、ご来校いただいた桂紅雀さん、本当にありがとうございました。
参加して下さった大人も子供も、たくさんのことを学んだと思います。
今後の「親子で学ぶ夜の小牧中学校」が、ますます楽しみになりました。
【お知らせ】
第2回の案内が、学校HPに掲載されました。
案内チラシは、8/21(火)の全校出校日に生徒に配布される予定です。
次回は、とてもためになる内容です。
ぜひご参加下さい!