「第2回夜の小牧中学校」で大人の学び(1)
- 公開日
- 2012/09/14
- 更新日
- 2012/09/14
総務委員会
9/9(日)第2回親子で学ぶ夜の小牧中学校
PTA懇親会「大人の学び」(その1)
統計学者から学ぶ世間の統計のごまかし
〜愛教大・青山和裕先生とともに過ごす〜
本講座が終了後、青山先生を囲んで、PTA役員との懇親会を開催しました。
とてもわかりやすい講座内容に、一同すっかり感心しましたが、その後の懇親会では、さらに詳しく、子どもたちを取り巻く教育の現状についてお話を伺い、貴重な体験となりました。
懇親会での青山先生と私たちPTA役員との会話の中での、印象的な言葉のいくつかをご紹介したいと思います。青字が青山先生のお話です。
●数学はおもしろい
「数学は答えがすっきり出るのがいい。そして、その問題や答えの先を考えるのがおもしろい」
「数学なんて勉強したって、将来役に立つのか?」と思っている子供たち、たくさんいるのではないでしょうか?
大人の皆さんは、どう思いますか?
たしかに、因数分解や連立方程式を、日常生活で使うことはまずありませんね。
しかし、今日の講座で、「数学は生活の役に立っている」ということが実感できました。
内容は「統計学」という分野ですが、今日の講座で扱った題材は、私たちが日常的に目にしている「広告」や「ニュース」などでした。
これは、私たちは日頃から「数学的なもの」に接している、ということですね。
とかく数学は、公式を覚えていっぱい計算をして・・・というイメージで、苦手意識を持つ人も多いものです。
ほとんどの人は、「答えが出たらおしまい!」となってしまうところですが、青山先生のおっしゃるように「その先を考える」ことで、数学的なことだけでなく、言葉の意味を考えるなら国語、問題の背景を考えるなら社会、事実の裏付けを考えるなら理科・・・というように、いろいろな教科の力も合わせて磨かれるのだと思います。
先生のお話を聞きながら、
・数学は単に計算するだけでなく、とても奥が深くて、おもしろい教科だよ
・数学は日常生活の中で、いろいろと役だっているよ
という青山先生のメッセージがよくわかりました。
●数学がおもしろくなくなってしまう理由
「本来、数学はおもしろいもの。それがどうしておもしろくなくなってしまうのか?それは、センター試験を象徴する受験制度の中で、数学が、いかに短時間でたくさんの問題を解いて解答用紙を埋めるか、という技術を学ぶ教科になってしまっているからだ」
戦後の高度経済成長の時代、学力はその人の資質を測るのに、とても重要な指標でした。
子どもたちの全体のレベルを上げるために、画一的な教育が行われ、親も子も「有名な学校へ行って、有名な会社に入ることが幸せへの唯一の道」と信じて疑いませんでした。
企業も、学力重視で判断していました。
そういう世の中で、いかに受験をうまく乗り切るか、ということに注力した教育が行われてきました。
その結果、青山先生がおっしゃるような、「本来の数学の楽しさ」を子供に教えることができない学校になってしまったのですね。
とても残念なことではありますが、これは私たち保護者や小牧中学校だけで解決できることではありません。
その先の高校、大学、企業・・・まさに国全体で取り組まないと、この受験システムを変えることは難しいでしょう。
しかし、青山先生のように、こういった教育に疑問を持たれて、なんとか変えていかなくては!と考えておられる先生方がいらっしゃるのは、とても心強いですね。
青山先生のようなすばらしい先生に教えてもらう、これからの先生たちが、力を合わせて、変えていってくれることを期待したいと思います。