朝会 ー人権講話ー 「だからわるい」
- 公開日
- 2017/12/01
- 更新日
- 2017/12/01
校長室
きょうまで読書週間なので、きょうはまず、短いお話を紹介します。
【一ぴきのいぬが、からだをまえにかがめて、はげしくほえたてています。 そのすぐはなさきに、かきねにぴたりとからだよせて、一ぴきのこねこが、毛をさかだててふるえています。かーっと口をあけ、ニャーオ、 ニャーオとないています。そのすぐそばに、ふたりの男の子がたって、 どうなることかとみていました。
まどから、それをのぞいていた女の人が、とぶようにして、かいだんからかけおりてきました。女の人は、犬をおっぱらうと、男の子たちをしかりつけました。
「あんたたち、はずかしくないの!」
「どうして、はずかしいの? ぼくたち、なにもしていないよ!」
男の子たちは、びっくりしたように、いいました。
「だから、わるいのですよ!」
女の人は、まっかにおこっていいました。】
……「だからわるい」というお話です。
「何もしないことがなぜ悪いことなのでしょうか」近くの人と話し合ってください。では、自分の考えを言える人?(2人の人から聞きました<こねこを助けなかったから>そうですね。この場合、「猫を助ける」、できなければ「大人を呼びに行く」がよりよい行動でしょう。何もしなかったから、「だからわるい」のです。
似たことは身近にもあります。例えば、だれかがいじめられているところを見たら、何もしないことは、いじめていることとたいして変わりません。「だからわるい」のです。
いじめを止める行動に出るか、できなければ大人に相談する。それが正しい行動であり、思いやりのある行動です。
来週の月曜日12月4日から10日まで「人権週間」です。人権とは少し難しい言葉ですが、簡単に言うと「自分らしく生きていいよ」ということです。この人権週間の間、特に、みなさんに心がけてほしいことが2つあります。
まず、自分の「いいところ」をさがしてほしいということです。自分のいいところがわかれば、自分のことを今よりもっと好きになるでしょう。
2つめは、あいての気持ちを考えてほしい、ということです。この「あいて」には、友だちや家族、仲間、あるいは(話ででてきた)「こねこ」のような動物も入るかもしれません。こわがっているのか、さみしいのか、困っているのか、喜んでいるのか……そして、相手の望むことをやってあげてください。困っている人には「どうしたの」と声をかけてください。放課に一人ぽつんといる子には、一緒にあそぼと誘ってください。転んだ子には手をかしてください。
それは、「思いやり」であり、「やさしさ」です。
人権週間をきっかけに、この学校が今よりももっともっと、思いやりや、やさしい言葉や行動がふえると、今よりももっともっと、楽しくてすばらしい学校になるに違いありません。期待しています。