学校日記

観劇 感激 ーむすび座さんありがとうー 【校長日記】

公開日
2019/11/22
更新日
2019/11/22

校長室

今年の「芸術鑑賞会」は、人形劇団「むすび座」さんの演じる「かくれ山の大冒険」を観ました。最高におもしろく、低学年も高学年も、大人さえも熱中し引き込まれた、あっという間の70分間でした。私は低学年と一緒に観ましたが、寒い体育館が熱気で暖かく感じられるほど。休憩なしでしたが、低学年児童が誰一人としてトイレに立たなかった事実をして、観客を魅了していたことの証でもあります。そこはまさに異空間でした。

人形劇「かくれ山の大冒険」は、脚本や役者さんの演技力はもとより、舞台装置、音楽、照明など全ての演出が効果的に駆使され、とても完成度が高い作品です。私自身、今までに味わったことのない感動を覚え、「むすび座やるなあ!」とつぶやいていました。

感じたことを2つに絞って記します。
まず、人形劇について。これは「人形」劇です。その「人形」が人形遣いの手にかかると、命が吹き込まれ、感情が生まれ喜怒哀楽を表します。まるで、魔法をかけられたかのように。照明の効果もあるのでしょうが、黒子の人形遣いの姿が、視覚から消えるのです。写真を見ると、何だか人がいっぱいいるぞ(1体の人形を3人がかりで操るので当然です)と思うのですが、劇中では全く気になりません。それどころか、ないはずの表情まで見えてくるから不思議です。ネコや人物の動きも本物そのものでした。
もちろん、人形遣いの方の技術と連携があるからこそには違いありませんが、それを「むすび座」さんは「観客が自らの想像力を働かせて観ているから」と説明されます。子どもたちの感想にも「人形が生きているようだった」という声がありました。それは、その子が自分の想像力で補っているからに他なりません。逆に言えば、人形劇には「想像力を育む力」があるということです。これはすごいことです。

2つ目に、やはり「生はいい」ということです。映像と違い、目の前で演じられる「生」は、役者さんの息づかいが聞こえ、体温が感じられ、迫力があります。今回も「生の演劇」を通して、子どもたちには学びにつながるたくさんの気づきがあったことでしょう。それは、目前で演じられたからこそに違いありません。

「想像力は人を思いやる心の源であり、自らの人生を切り拓く力となる」ーそんな内容の言葉がむすび座さんのパンフレットに書かれていたように覚えています。劇を観てナルホドと納得し、観劇の素晴らしさを実感しました。むすび座さんありがとうございました。