ミニ版「ほろほろ通信」 5/26号
- 公開日
- 2013/05/29
- 更新日
- 2013/05/29
ほろほろ通信
ミニ版「ほろほろ通信」 5/26号
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「胸の傷痕」
瀬戸市の市教育委員会にお勤めの40代の男性からの投稿です。
男性は、30歳のときに人間ドックで「胸に腫瘍がある」と告げられました。
あまりにも唐突な話で信じられずにいたところ、医師はすぐに紹介状を書き、数日後に紹介先の病院で「縦隔腫瘍」と診断され、すぐに入院となりました。
2週間後に手術を受け、意識を取り戻した自分の体には、何本ものチューブがつながれ、胸には15cmくらいの手術痕があり、「これが一生残るんだなぁ」とため息をつきました。
すると、同室のAさんに「いいなぁ。うらやましいです」と声を掛けられました。
Aさんは23歳。男性と同じ病気を患っていました。
しかし発見が遅れたため、あちこちに転移していて、手術ができない状態で抗がん剤治療を続けていたのでした。
「あなたが治ったら、自分も元気になれるような気がします。だから、あなたにはどうしても元気になってほしいんです」と言われました。
残念ながら、Aさんは4ヶ月後に帰らぬ人になりました。
男性は「胸の手術痕はずいぶん目立たなくなりました。人間はいいことも悪いことも忘れてしまいます。でも、自分の手術痕をみて『うらやましい』と言ったAさんの思いは、学校で子どもたちに伝えていかなければいけないと思っています。そのためにも胸の傷痕はずっと残ってほしいと思っています」と言っています。
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毎日の生活の中では、いろいろなことが起こります。
そうやってバタバタと時間を過ごしていると、ついつい過去のことは忘れてしまいがちですね。
なにかの拍子に、ふと思い出すことはあっても、ふだんは意識していないと、すぐに忘れてしまいます。
でも「忘れてはいけないこと」が、人にはそれぞれあると思います。
「反省の気付き」を与えてくれたこと、「大切なこと」を教えてくれたことなどは、ずっと忘れずにいたいものですね。