ミニ版「ほろほろ通信」 7/7号
- 公開日
- 2013/07/09
- 更新日
- 2013/07/09
ほろほろ通信
ミニ版「ほろほろ通信」 7/7号
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「お義母さん大事にせにゃあかんぞ」
松阪市出身の60代の女性からの投稿です。
今から42年前。
学校を卒業後、一宮市役所に就職し、保育園で働いていて、職場で出会ったご主人と結婚されたそうです。
尾張地方では嫁入りにお金がかかるという話は、近県にまで知れ渡っていて、親類中から「大変だね」「苦労するよ」と言われたそう。
その後、子どもが生まれると、七五三、こいのぼり、ひな人形、ランドセル、勉強机など、嫁の実家が節目節目にいろいろな物を準備しなければならず、公務員だった父親は、親戚からお金を借りて嫁入り道具を支度してくれたそうです。
長女が生まれ、よちよち伝い歩きを始めたころ。
ある日の昼食時に、長女が振り回して遊んでいた台布巾が、義母が食べようとしていたうどんの丼に入ってしまいました。
女性は慌てて「すぐに作り直します」と言うと、義母は「大丈夫」と言って、台布巾を取りだして何事もなかったかのように全部食べたそうです。
後日、その話を実家の両親に話したところ、母親からは「何であんたの丼とパッと取り替えんかったの」と言われたそうですが、そこまで頭が回りませんでした。
すると父親が「えらいお義母さんやなあ、大事にせにゃあかんぞ」と一言いったそうです。
それ以降、女性は義母に尽くそうと努めてきたとのこと。
義母が余命宣告された時、本人の希望に従い、自宅での看病にあたり、周りからは「大変だから入院させた方がいい」と言われましたが、恩返しのつもりで最期まで尽くし、みとったそうです。
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長く一緒に生活していると、「良いこと」も「悪いこと」もいろいろあると思います。
縁あって家族になったのですから、いつも「感謝の気持ち」を忘れずにいられるといいですね。
笑顔で接すれば、きっと笑顔が返ってきます。
・・・わかっていても、疲れていると、ついつい仏頂面になってしまいますが。
なかなか真似のできない、すばらしい「恩返し」ですね。