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ミニ版「ほろほろ通信」 9/1号

公開日
2013/09/05
更新日
2013/09/05

ほろほろ通信

ミニ版「ほろほろ通信」 9/1号

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「かえって良かったです」
豊橋市の90代の女性からの投稿です。

この女性は、骨折などで足が不自由になり、現在は週2回、デイサービスに通っています。
元気だった80歳ごろのお話しです。
その頃は、一人で電車やバスに乗り、どこへでも出かけていたそうです。
2005年の愛・地球博では、一日中会場を歩きまわっていたほどとのこと。
その頃の豊橋鉄道・渥美線の車内でのお話しです。

女性が電車に乗り込んだ時、満員で座席は空いていませんでした。
重い手荷物があったので困っていると、膝に幼稚園の年長さんくらいの子どもを抱いた若いお母さんが「どうぞ」と席を譲ってくれました。
遠慮なく座らせてもらうと、母子は少し離れた窓際に移動し、ずっと立っていました。

終点に着いた時、女性が母子に「ありがとうございました」とお礼をいったところ、このお母さんは「いいえ、こちらの方が景色がよく見えて、かえって良かったですよ」と返事をされました。
女性は、このお母さんの一言に感銘を受けました。
席を譲られた人は、譲ってくれた人に対して、感謝とともに申し訳ないという気持ちも抱きます。
そんな心の負担をかけまいとして発せられた言葉に違いないと思ったのです。

「もう十数年も前のことですが、今も忘れることができません。人に親切にする時も『かえって良かったです』と相手のことを気遣う。何て美しい日本語なんでしょう。あの母親のお子さんゆえに、きっと礼儀正しい大人になっていると思います」と女性は話しています。
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誰かに親切にした時に、ひどく恐縮されて、逆にこちらが申し訳なく思ってしまうことがありますね。

そんなに申し訳なく思わなくてもよいのに・・・と思うような経験をされたことがある方は、たくさんいらっしゃると思います。

そんな時に、この「かえって良かったです」という言葉が、相手の心の負担を軽くしてくれるとは、なるほどと思いました。

親切をする側もされる側も、少しの気遣いで、お互いに気持ちの良い時間を過ごせる、ということを学びました。