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ミニ版「ほろほろ通信」 3/9号

公開日
2014/03/12
更新日
2014/03/12

ほろほろ通信

ミニ版「ほろほろ通信」 3/9号

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「キク農家の父の苦労を知って」
田原市の20代の男性からの投稿です。

男性は、高校3年間野球部に所属していたが、父親は一度も試合を見に来てくれませんでした。
部員の仲間は、両親そろって応援に来るのが当たり前のようになっていたので、自分だけ寂しい思いをしていました。

ある日「なんで見に来んの。仕事がそんなに大事なの」とひどい言葉をぶつけてしまいました。
それがきっかけで、父親とはほとんど会話をしなくなってしまいました。

3年生の1月に「卒部式」という引退セレモニーがあり、監督やコーチ、下級生、それぞれの部員の両親が参加します。
部員から感謝の気持ちを述べるとともに、下級生や親たちのチームと交流試合をします。
このとき、初めて、男性の両親がそろって来てくれました。

その帰りの車中で、父親が真っ赤な目をして、涙をこらえながらつぶやきました。
「試合は見に行ってやれなかったけど、けがをせず3年間よくやってくれた。お疲れさま」
突然の言葉に、男性は罪悪感もあり、涙があふれました。

現在、男性は家業の電照菊の栽培を手伝っています。
出荷時期は年3回。たくさんある温室では、少しずつ開花時期がずらしてあるので、ほとんど年中休みが取れません。
冬はキクの病気、夏は水不足で目が離せませんし、繁忙期は朝5時から夜9時ごろまで働きます。
家族は、花の生育に合わせての生活になってしまいます。

「今になって、父親が野球の応援に来られなかった事情もよく理解できます。思い返すと、幼いころに父親とキャッチボールをしたのが野球を始めるきっかけでした。五体満足の体をもらい、恵まれた環境で育ててくれた両親に感謝しています」と男性は話しています。
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親の忙しく働く姿は、子どもの目には、どのように映っているのでしょうか。

お子さんに「そんなに仕事が大事なの」と詰め寄られて、苦しい思いをしたことのある保護者の方もいらっしゃるでしょうね。

今は反発していても、いつかきっとわかってくれるときが来ます。

そう信じて、がんばっていきましょうね。