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★「第6回ゲスト道徳」で大人の学び(2)

公開日
2014/11/13
更新日
2014/11/13

管理人室

「第6回ゲスト道徳」のまとめ・その2です。


●移植への期待と戸惑い

「移植を受ければ、元気になれる」

そう思って、移植を心待ちにしておられただろうと思っていました。しかし、そうではありませんでした。

移植を受けるということは「人の死を待つこと」「愛する健康な家族にメスを入れること」

そう考えると、とても手放しでは喜べない。苦しい思いでいたそうです。

加藤さんは、移植を受けて元気になり退院してからも、しばらくは「移植を受けてよかった!」と心から言えなかったそうです。

自分は元気になったけれども、誰かの大切な人が亡くなり、悲しんでいる人たちがいる。私はうれしいとは言えない。

そんな思いを心の中に抱いていたときに、友人からかけられた言葉に救われた、と話してくださいました。

「その人は、加藤さんが待っていたから亡くなったわけではない。いずれは亡くなってしまったんだ。ご本人や遺族の人が、誰かの役に立ちたいという願いを持っていたのを、加藤さんがかなえてあげたんだから、気にすることはない」

加藤さんは、この言葉に力をもらい、それからは「よかった。うれしい」と素直に言えるようになったそうです。

「移植を受けて元気になる」こんな幸せなことはないのですが、移植を受ける患者さんは、とても深い葛藤を抱えていらっしゃることがわかり、子どもたちにも、その複雑な心情が伝わったと思います。


●感謝

お二人とも、何度も口にしたのは「感謝」という言葉です。

いろいろな人の支えや協力があって、今、自分は生きている。本当に幸せで、心から感謝している。

生きているからこそ、好きな旅行にも行けるし、仕事もできるし、こうして講演をすることもできる。

途切れかけたいのちをつないでもらった感謝。実感のこもった、重い言葉でした。

成田先生は「健康であっても、感謝することは大切だよ」とおっしゃいました。

私たちは「当たり前」と思って日々を過ごしています。しかし、それはとてもありがたいことなのだ、ということを教えていただきました。