★「第12回ゲスト道徳」で大人の学び(1)
- 公開日
- 2015/03/03
- 更新日
- 2015/03/03
管理人室
2/24(火)「第12回ゲスト道徳」が、3-3と3-7で行われました。
今回が最後となるゲスト道徳には、大阪から落語家の桂しん吉さんが来てくださいました。
玉置校長先生の落語好きはよく知られていますので、今回のゲスト道徳は授業をされる先生にとっても楽しみな時間だったようです。
印象に残ったことをご紹介します。
【PTAの部屋】2/24 「第12回ゲスト道徳」を参観
●落語は高度な古典芸能
ほとんどの子どもが「落語」という言葉は知っていましたが、見たことはないとのことでした。
そこで、ゲストの桂しん吉さんに「落語ってどんなことするの?」を教えていただきました。
落語は、落語家(噺家)さんが、一人で話す「話芸」です。
座ったまま、何人もの登場人物を、声やしゃべり方を変えて、表現します。
場面や状況の説明はありません。映像もありません。
お客さんが、その場面を想像しながら聞きます。
江戸時代に落語が生まれ、そのころから変わらぬ話を「古典落語」といいます。
それとは別に、今の時代に合わせて作られた話を「新作落語」というそうです。
落語の舞台になるのは、昔のことが多いので、そのころの情景(時代劇っぽい感じでしょうか)が思い浮かべられなければ、何の話をしているのか、さっぱりわかりません。
「子どもには少し難しいかも」と言われるのは、こうした落語の形態にあります。
ですから落語は、一般的な常識や知識が必要な「高度な」芸能なのですね。
落語家さんは、お客さんの年齢層や反応を見ながら、わかりやすく話の内容を変えてみたり、アドリブを入れてみたりする工夫をされているそうです。
一方で、映像に慣れている現代の人にとっては、「自分で想像する」という経験は、とても新鮮です。
余談ですが、以前、小牧中で開催した「親子で学ぶ小牧中特別講座」で桂紅雀さんの落語を聴く機会がありましたが、そのときに「うどん屋」が話の中に出てきました。
「どんなうどん屋さんを想像したか?」と、いろんな人に聞いてみると、木造のお店を想像したり、屋台を想像したり、立派なお店を想像したり、人によってさまざまなうどん屋さんがあって、とてもおもしろかったです。
落語には、このような「自由度」があります。
●なぜ、将来の保障のない落語家への道を決意したのか?
会社員とは違い、落語家には定収入はありません。
終身雇用の制度もありませんから、将来の保証もありません。
人気稼業ですから、浮き沈みの激しい職業ですね。
しん吉さんは、そんな落語家の道をどうして選んだのか?という先生の問いかけに、子どもたちからはいろいろな意見が出されました。
・落語が好きだったから
・人を笑わせたい
・好きなことだったし、やるなら今しかないと思った
・師匠の落語が好きだった
・落語が好きで、他のことはどうでもよかった
・仕事に誇りが持てる
・あこがれだった
・夢だった
・魅力があった
・どうしてもやりたかった
・そんなに大変なことだと思っていなかった
・人をひきつける仕事だと思った
・自分の好きなことで生活がしたい
●自分が楽しむことが大切
子どもたちの意見を「なるほど〜」と聞いていたしん吉さんは「どれも当たっています」とおっしゃいました。
ここで先生から「楽しいから、好きだから、という意見が多かったけど、それだけで決められるかな」と変化球が投げられました。
たしかに、好きなことを仕事にできている人は、それほど多くないですね。
すると、しん吉さんは「楽しいことは大切ですよ。自分が楽しくなければ、お客さんを楽しませることなんてできません」とおっしゃいました。
「落語って、こんなに楽しいんだ」という思いが、話を通して、お客さんに伝わるのですね。
どんな仕事でも、つらいことは多いのですが、「楽しい」と思ってやる、「楽しい」と思える工夫をすることが大切ですよ、としん吉さんから教えていただきました。