都市と都市を結ぶ重要な交通として、鉄道が挙げられることは、誰もが異を唱えることはない。小牧市は、日本三大ハイウェイ(東名・名神・中央高速道路)の接点という自動車交通に有利な立地条件である。しかし、通勤・通学者にとって鉄道は重要な移動手段である。
そのような小牧市において、平成18年9月をもって、桃花台新交通ピーチライナーが廃線となることが決まった。実は、小牧市で鉄道が廃線となるのは、今回が2回目である。一度目は、昭和39年3月の名古屋鉄道小牧―岩倉間の廃線である。この鉄道は、明治中期からの鉄道敷設運動により、大正元年に開通したものであったが、単線であるために輸送力に限界があり、増加する利用者に対応できないという理由でバス輸送に切り替えられた。そして2度目である今回は、経済的な理由で、廃線が決定された。ちなみに、第三セクターの鉄道が廃線となるのは、今回が初めてのことである。
ピーチライナーは、本校3年生にとって、単に地域の鉄道というものではない。実は、ピーチライナーが開通した平成3年は、3年生徒らが生まれた年でもあるのだ。そこで、今回の「桃花台百話V」を編纂するにあたり、「僕たちとともに歩んだピーチライナー」をテーマとして、小牧市役所企画課や桃花台新交通本社、地域の方々から聞き取り調査を行い、その内容をまとめることとした。また、その際にピーチライナーと本校三年生の成長をリンクさせ、「誕生・成長・安定・改善・岐路」の五章とした。
ご協力いただいた方の中には、「提供する写真を探していたら、開通当時の頃を思い出して懐かしかった。」「桃花台ニュータウンのシンボルであるピーチライナーを調査してくれてうれしい。本ができたら是非見せてください。」などと、温かい言葉や励ましをいただいた。
幸いにも、30名を超える方々の協力を得ることができた。また、総合学習で学んだ知識・技能を活用して、文章作成や写真の校正を行った。何より、地域の鉄道の調査活動を通じて、郷土への愛着心が高まった。
本書で明らかにしたかったことは、開通時から廃線までの人々の思いである。ピーチライナーを15年間支えた方々の思いを少しでも残すことができれば幸いであるが、ここで紹介できたものはほんの一部である。指導者や中学生の不慣れと浅学にご容赦いただくとともに、各位からのご示唆をいただければ幸いである。
(3年3組担任 千種澄子 3年5組担任 長谷川真)