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ミニ版「ほろほろ通信」 6/16号

公開日
2013/06/26
更新日
2013/06/26

ほろほろ通信

ミニ版「ほろほろ通信」 6/16号

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「3月11日が誕生日」
美浜町の70代の女性からの投稿です。

この女性の誕生日は1月17日。
18年前、阪神淡路大震災の起きたその日の夜、家族が集まって誕生会を開いてくれることになっていたそうです。
しかし、とてもお祝い気分にはなれず中止に。
その後も、家族が誕生祝いをしてくれるというのを、毎年断り続けたそうです。

代わりに、3人のお孫さんが似顔絵を描いてプレゼントしてくれたこともあったそうですが、2年前に「そろそろ・・・」ということで、16年ぶりに誕生会を催してもらったそうです。

昨年、ご主人のおいの娘さん(当時小5)が遊びに来た時、ふと「去年の誕生日は複雑な思いだった」と言ったそうです。
その子の誕生日は3月11日。
東日本大震災が起きた日の晩、家族に誕生会をしてもらったそうですが、テレビに映し出される悲惨な光景を見て暗い気持ちになり、また誕生日がやってくるので、少し憂鬱だというのです。
かわいそうになり、女性は少し早めにプレゼントを送ってあげたそうです。

そして、3月11日がやって来ました。
その子の担任の先生は、クラス全員の誕生日を覚えていてくれて、給食の時間にみんなで牛乳で乾杯してくれるのだそうです。
そこでその子は「大震災で被災された人たちのためにお祈りをしてください」とお願いしたとのこと。
先生はそれを聞いて、みんなで東北に向けてお祈りをし、その後で牛乳で乾杯をして誕生日を祝ってくれたそうです。

女性は、「私と同じ気持ちになってくれたことがうれしかったです。また先生の配慮にも感謝しています」と話しています。
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大きな災害が起こった日は、亡くなった方の遺族や被災された方々にとっては「悲しい日」です。

でも、先の「東日本大震災」では、その当日に大変な苦労の中で生まれた「新しい命」のことも、たくさん話題になっていました。

「悲しい日」と「うれしい日」が重なってしまったこの女性や女の子のように、複雑な思いを抱えながら「その日」を迎える人は、きっとたくさんおられるのでしょうね。

あなたの「うれしい日」は、きっとあなただけでなく、家族や友人、まわりの多くの人にとっても同じように「うれしい日」なのだと思います。
どうか、イヤな思いだけを抱え込まず、遠慮なく「うれしい日」を楽しんでもらえたらいいなと思います。

「悲しい日」になってしまった人々の気持ちを考えることができるこの女性や女の子は、本当に心優しい人たちですね。