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ミニ版「ほろほろ通信」 8/11号

公開日
2013/08/12
更新日
2013/08/12

ほろほろ通信

ミニ版「ほろほろ通信」 8/11号

久しぶりの「ほろほろ通信」です。

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「兄弟の遅刻の理由」
安城市の40代の女性からの投稿です。

この女性の家の前には、長い長い一本道があり、両側はほとんどが田んぼだそうです。
そして、その道は小学校の通学路になっているので、毎日小学生の分団が通ります。
1つの班は平均10人程度で、それが10班以上も延々と連なって歩いて行くのを、女性は毎朝眺めているそうです。

班長の子どもは大変です。
歩くのが速い子もいれば、遅い子もいます。中には、ふざけて田んぼに落ちてしまう子もいるそうです。

ある春の日のこと。
すべての班が通り過ぎてしばらくして、見覚えのある二人兄弟が通り掛かりました。お兄ちゃんの方は、遅刻が多いと耳にしたことがあります。

そのとき、お兄ちゃんが1年生になったばかりの弟に、こう言うのが聞こえたそうです。
「犬にあいさつしに行くぞ」
弟は、道端に座り込んだまま動きません。うつむいて、草をちぎっています。なんとか歩かせようとして、お兄ちゃんは、近所で子どもたちに人気のゴールデンレトリバーを飼っている家まで誘い出しているのです。

その後もよくよく見ていると「そろそろオタマジャクシがいるかな」と少し先の田んぼを覗き込んだりして、前へ前へと歩かせていました。

女性は、ハッとしました。
このとき、初めて遅刻の理由がわかったのです。
好きで遅刻していたわけではなく、学校へ行くのを嫌がる弟を、あやしながら付き添っていたのです。

女性は「うわべだけで子どもを見ていた自分が情けなくなりました。その後、兄弟ともみんなと一緒に登校できるようになり、ほっとしています」と話しています。
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遅刻が多かったのは、子どもなりの理由があった、ということですね。

私たち大人は、ついつい「結果」だけを見て、子どもを判断してしまいがちです。
しかし、よくよく話を聞いてみたら「いろいろがんばったけど、ダメだった」という「いろいろがんばった」部分がわかることもあります。

世の中、上手くいくことばかりではないことは、大人はよくわかっていますよね。

もちろん「結果」につながることが大切なのですが、あまり「結果」ばかりに目を向けず、「いろいろがんばった」部分のことをしっかり聞いてあげられるといいですね。