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2/3 ミニミニ講演会(2) 〜校長先生編〜

公開日
2014/02/11
更新日
2014/02/11

総務委員会

「ミニミニ講演会」のまとめの第2回、「校長先生編」です。

【校長先生編】


校長先生は、「教科書観の転換」について、お話しして下さいました。


保護者や、最近では塾の先生からも「教科書が終わっていないけど、大丈夫でしょうか?」という問い合わせがくるそうです。
教科書が分厚くなって、内容も増えていますから、ついつい心配になってしまうのですね。


教科書は、4年に一度、採択されるのだそうです。
ここで選ばれた教科書を子どもたちが使うことになります。
前回の採択のときから「教科書観の転換」つまり「教科書の作り方」が変わったそうです。
どういうことかというと、それまでのように教科書の内容は全部教えましょう、というスタンスではなく、子どもが「自分で勉強できるようなページ」を多く入れたのだそうです。
子どもの自学自習のためのページですから、当然授業では使いません。
このようなページが、実に4分の1ほどもあるのだそうです。


この「教科書観の転換」については、私たち保護者はもちろんですが、実は、学校の先生方にもあまり周知されていないそうです。
中にはご存じない先生もおられるのでしょうね。
「なんか、教科書分厚くなったよね・・・ハァ」とため息をつかれている先生もいたりして。


保護者の皆さんもご承知のとおり、教科書は税金で賄われていますから、子どもたちは無償で使うことができます。
ここに少々問題があって、「タダだから」「もらえるから」ということで、子どもたちが教科書を大切に扱ってくれないのですね。
教科書に使われる税金は、私たち保護者が払っているわけで、やはり子どもには大切に扱ってもらいたいものですね。


最近話題の「デジタル教科書」についても教えていただきました。
すでに、教師用のデジタル教科書は、小牧中にも導入されていて、先生方が授業で使っています。
文部科学省は、2020年までに、生徒に一人一台のタブレット端末を持たせて、そこにデジタル教科書を入れて使うことを決めているそうです。
あと6年後ですね。本当にそうなるでしょうか?


昨年、大変話題になった「反転授業」をご存じでしょうか?
佐賀県武雄市では、小中学校で一人一台のタブレット端末を導入して、「反転授業」をする取り組みを始めています。
「反転授業」というのは、まず明日習う内容を先生が講義しているところをビデオで撮影し、それを子どもたちの端末に入れます。
子どもたちは、それを家で見ながら「予習」をしてきます。
翌日、学校では、子どもたちが「予習」したところで、わからなかったことや疑問に思ったことをグループで話し合います。
このグループで話し合うことで、わからないところを教え合ったり、みんなで疑問を解決するために調べたりして、子ども同士が学び合うことを目的としているのです。
この取り組みは、まだ始まったばかりなので、今後どのように展開していくのか、関心を持って見ていきたいですね。


校長先生は、このように、いずれ子どもたちが端末を持ち、教科書がデジタル化していくことを見越して、運用上の問題なども教えて下さいました。
例えば、電源。
小牧中のように大規模校では、生徒の端末の充電をするだけの電源の確保は、とても難しい問題です。
また、端末へのデジタル教科書の入れ方について、それをインターネット経由で送信すればとても簡単なのですが、その場合は教科書の内容を簡単に訂正したりすることができますし、教科書の検定ができない可能性があります。
また、必要な設備などへの投資もしなければなりませんから、これまでのように教科書を無償で配布することができなくなるかもしれません。


しかし、世の中の流れとして(というか2020年にはやる、と文部科学省が言っているので)、子どもたちが端末を持つ時代は、すぐそこまできています。
それであれば、これまでの教科書のような雑な扱いではなく、子どもたちが大切に扱ってくれるようなツールにしたい、と校長先生はおっしゃいました。


校長先生のお話は、私たち保護者が知らないことばかりで、参加された皆さんは真剣に耳を傾けていました。
教科書の裏表紙などに「この教科書は税金で作られています」と、しっかり明記されているそうです。
皆さんも、一度お子さんの教科書を見てみて下さい。

今回も、学校のことがよくわかり、とても「ためになる話」を聞かせて下さいました。
校長先生、本当にありがとうございました!