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ミニ版「ほろほろ通信」 4/27号

公開日
2014/04/29
更新日
2014/04/29

ほろほろ通信

ミニ版「ほろほろ通信」 4/27号

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「厨房は猛吹雪」
稲沢市の80代の女性からの投稿です。

女性が、名古屋市の名鉄ニューグランドホテルでパートで働き始めた10年前のお話です。

早朝に厨房の掃除をしていたら、ぬれ雑巾が誤って赤いボタンに触れてしまいました。
その途端に「ブオーン」という大きな音がして、大型消火器から白い粉が噴き出しました。
厨房は猛吹雪のように、瞬く間に真っ白になってしまい、女性はぼうぜんとしてその場に立ち尽くしたそうです。

そこへ次々とコックさんたちが出勤してきて、みんな「おー」と声を上げたかと思うと、黙々と鍋やまな板を洗い始めました。
怒られると思っていた支配人さんが一言。
「消火設備が作動することがわかってよかったな」
上司は、粉で全身真っ白になっていた女性に「シャワーを浴びてきなさい」と声をかけてくれ、厨房スタッフの一人は「いいんだよ、年末の大掃除が1か月早くなったと思えば」と。
誰も愚痴を言う人はなく、その心遣いが心に染みました。

後日、社長のところへおわびに行ったときのこと。
始末書や弁償のことで頭がいっぱいだった女性に、社長は「何しに来たの」とニコニコ顔で言われました。
「あのう、先日、派手にやらかしましたので」というと、「ああ、あれ。新機種に取り換えようかと、時期を検討していたところだよ。ちょうど踏ん切りがついてよかった」とおっしゃったそうです。

「今も社員の皆さんの制服のボタンを繕ったり、仮眠室のシーツを取り換えたりと裏方の仕事をさせていただいています。あの時の恩返しだと思って、一生懸命に」と女性は話します。
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誰にでも、失敗することはありますが、この女性のように、たくさんの人に迷惑をかけてしまうような失敗をしてしまうと、とても落ち込みますよね。

なのに、まわりの誰もが文句も言わず女性を気遣い、快く協力してくれるとは、本当にすばらしい職場だと思います。

失敗してしまった人は、十分に申し訳ない気持ちでいるものです。

例えば子どもが失敗をしてしまったとき、それを頭ごなしに責めるのではなく、「大丈夫だよ」と言ってあげられる心の余裕を持てるといいですね。