学校日記

人権講話 人生で重要なことは・・・

公開日
2025/12/08
更新日
2025/12/08

校長室から

◆12月4日から10日は人権週間です。今日は人権のお話をします。◆人権とは、人が生まれたその瞬間から持っている、人として生きていく権利です。人として生きていくとは、まず「命が守られること」、そして「自分らしく生きること」です。◆そして、もう一つ。人は一人で生きてはいません。他の人たちとのつながり、社会の中で生きています。社会の中には自分の他にもたくさんの人がいます。「子ども」「大人」「男の人」「女の人」「おとしより」、そして「体の不自由な人」も「外国の人」もいます。みんな違うように見えるけれど、外見や立場が違うことはあるけれど、みんな人間です。そこはみんな同じです。みんなが平等に、対等に、この人権をもっています。ですから、社会のしくみやきまりの中で、互いに人権を守り守られ、「(自分もふくめ)みんなで楽しく生活すること」が人として生きていくということです。◆そのためには、自分のことだけでなく、その人の立場に立って考えることが肝心なのですが、みなさんはそれが当たり前にできているでしょうか。ここで、福沢諭吉の「ひびのおしえ」から、お話の一つに加筆をして紹介します。・・福沢諭吉『ひびのおしえ』より「桃太郎が鬼ヶ島に行きしは」・・◆これはみなさんがよく知っている「桃太郎」のお話です。同じお話でも立場を変え見方を変えると違うお話に見えてしまいます。鬼の子から見れば、桃太郎こそ「悪者」です。なぜ桃太郎は何一つ確かめないで、最初から鬼退治という選択肢を選んだのでしょうか。それは、「鬼は悪者」「悪者だから退治しなければ」とはじめから「決めつけ」てしまっていたからです。この「決めつけ」が、互いの人権を脅かします。みなさんも、相手のことを考えない、そんな「決めつけ」でいやな思いをしたりさせたりしたことがなかったでしょうか。◆少し難しい言い回しをします。人権を大切にする社会のきまり・しくみが民主主義です。今の日本は、民主主義の社会です。でも民主主義は、その制度自体がよい社会を約束するものではありません。民主主義を実現するのは、みなさん一人一人の心の持ちようです。すべての人間を個人として、尊厳な価値を持つものとして接しようとする心、それが民主主義の根本精神です。◆要は、自分と同じ人間同士、相手の立場や気持ちを考えて、「ふわふわ言葉」を向け合い、自分も相手も同じように大切にしていきましょう、ということです。そのための秘訣を、ヘンリー・ジェイムスはこう言っています。「人生で重要なことは三つある。第一に思いやりである。第二に思いやりである。第三に思いやりである」自分から、自分の周りから、自分たちの周りから、そんな思いと言葉をやりとりし、みんなで楽しく生活していきましょう。