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「ほろほろ通信」号外

公開日
2013/10/24
更新日
2013/10/24

ほろほろ通信

ミニ版をご紹介している「ほろほろ通信」を書かれている志賀内泰弘さんは、メールマガジンを発行されています。
日替わりで、これまでに紹介された「ほろほろ通信」や「たった一言で」コンテストの受賞作品などを紹介して下さっています。

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先日のメールマガジンでは、7年前に新聞に掲載された「ほろほろ通信」が紹介されていました。
投稿者の平林哲也先生は、現在、一宮市立木曽川中学校の校長先生です。
心に残るエピソードでしたので、ここで引用してご紹介します。

***** 引用開始 *****

一宮市浅井北小学校の校長先生、平林哲也さん(52)からのお便り。
いじめの問題について「○○するな」という表現をせずに、
子どもたちに伝える方法をずっと思案していたそうだ。

そして、先日のこと。
臨時集会で全校児童を前に、
こんな話をしたという。
  
「皆さんが人から言われて嫌だったり、人に言ってしまって傷つけたりしたと思う言葉を思い起こしてください。
次に自分の口を両手で包みながら、その言葉を人に聞こえないように小声で言って、ギュッと握り締めてください」

その後、平林さんは大きな袋を取り出し、

「今、握り締めた嫌な言葉を回収します。思いっきり投げ込んでください」

と、全校生徒の間を回った。

「これが、皆の心のトゲになっていたんだね。ずっしり重いよ」
「二度とこの言葉が飛び出さないように」

と言って、学校で一番の力持ちの先生に登場してもらい、きつく袋の口を縛ってもらった。

「これでこの袋は二度と開きません。もちろんリサイクルにも出せませんよ」

さて、今度は人から言われてうれしかったり、人に言って喜ばれたりした言葉を思い出してもらった。

「口に出して教えてほしいな」

と呼び掛けると、たくさんの手が挙がった。
一人一人にマイクを向けて回る。
心に染みる言葉の連続だった。

最後に、

「人が喜ぶ言葉を使おう。ちょっとした親切な行為で、
 いじめのない学校になると思います。
 困ったり悩んだりしている人がいたら
 『大丈夫?』って声を掛けてあげてください。
 何かしてもらったら『ありがとう』、
 友達のいいところを見つけたら『すごい』って」

と結んだという。
他の学校や家庭でも参考になれば。

《ほろほろ通信/中日新聞 2006.12.10掲載》

***** 引用ここまで *****

これは小学校でのエピソードですが、中学生にも、大人にだってあるといいですよね。「嫌な言葉吐き出し専用袋」

平林先生が最後におっしゃった「人の喜ぶ言葉を使おう」
とても素敵な呼び掛けです。

「言葉」はとても不思議で、同じ言葉でも、言われた相手、相手の表情、声のトーンなどで、ガラリと受ける印象が変わります。
また、ひとつの「言葉」がきっかけで、ケンカになったり、仲直りできたりしますね。

「こんなこと言われたらうれしいな」と自分が思う言葉を、相手の気持ちを思いやりながら口に出せるように、大人も子どももなれるといいですね。