学校日記

01篠岡百話序

公開日
2022/01/03
更新日
2022/01/03

第1集 篠岡百話序

 『篠岡百話』編集の主旨は、国語科「三、効果的な説明」目相手を考えて説明しよう……『実際に書いてみよう』の問題中「自分たちの郷土を、いろいろな角度から紹介する」をとりあげて各自が書いた説明文をまとめることにある。
 だから、この『篠岡百話』は、郷土史話の体裁をとりながらも、究極は説明文で書かれた生徒の作文を集録したものに過ぎないことを最初に断っておかねばならない。
 それでも、この『篠岡百話』編集を思いたったのは、昭和四十二年の七月ごろで、そのとき書かれた作文も幾つか本誌をうめてくれたから足かけ三年の大勢の耳と目の結晶であると確信する努力の作品集であることも間違いない。
 時、あたかも明治百年にあたり、ことしの卒業生が、明治百年度の卒業生ともいえる。こういう意義ある年に、意義ある卒業文集を編むことは、だけでも意義が高まる。ほんとうに心からご苦労だったと諸君に申しのべたい。
 ただ、残念なことは、この書物が大勢の人に渡らないという点だ。あくまでも授業の結晶であり、卒業文集であって、世に問う出版物でない点だ。みんなが調べて書いたこの郷土紹介文は、公にしてもあまりある貴重な値うちがあることをだれも疑ってはいない。