「しゃべり場」のこと(3)
- 公開日
- 2013/10/07
- 更新日
- 2013/10/20
しゃべり場
「ネットパトロール」って知っていますか?
「LINE」などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が登場するまでは、子どもたちの間で「学校裏サイト」なる「掲示板」が流行りました。
「掲示板」というのは、誰でも見ることができるし、書き込むことができます。
生徒の誰かが、自分の通う学校の「掲示板」を作り、そのアドレスを口コミで友達に広げていき、その中でいろいろな噂話を書き込んだりして、仲間内の「ネット上の会話」を楽しんでいました。
ここに書き込まれる物の中には、楽しいことばかりでなく、個人を誹謗中傷したり、事実無根の噂話で友達を陥れようとしたり、生徒同士だけでなく、先生に対する悪質な誹謗中傷も、日常的に行われていたようです。
そんな「裏サイト」の存在に危機感を募らせた大人たちは「ネットパトロール」ということを始めました。
書き込まれた言葉や画像などを監視して、不適切と判断されたものは片っ端から削除していきます。
24時間体制で、ひたすらネット上を巡回する「ネットパトロール」は、大規模に行えば、それなりに効果が出ます。
今でも、専門の業者などに委託して実施している学校や教育委員会は多いようです。
しかし、ここ1〜2年で急激に普及してきたSNSでは、この「ネットパトロール」はあまり役に立たないことをご存じですか?
「ネットパトロール」は「公開されている」掲示板には威力を発揮できますが、「LINE」の「グループ」のように「一般には公開されていない」ものまでは監視することができません。
結局のところ、子どもたちの「グループ」は密室化してしまいやすく、その中でのやり取りを「掲示板」のように、外部から監視して、不適切なものは削除する、などの対応が取れないため、子どもたちのトラブルもどんどんエスカレートしてしまう傾向にあります。
「ネットパトロール」は有効な手段ではありますが、万能ではありません。
ネット環境の充実ぶりや、ネット技術の進歩を見ていると、日々新しいサービスが生まれてきています。
子どもたちや若者たちは、新しいサービスの想定外の使い方を見つけるのが、とても得意ですよね。
大人が「好ましくない」と思う使い方を、すぐに見つけて広めてしまいます。
それらに場当たり的に対処していても、結局は「イタチごっこ」になってしまい、いつもいつも対応に頭を悩ませていなければなりません。
このような対処ももちろん大切ですが、やはり「子ども自身に使い方を考えさせる」「相手がいるコミュニケーションの手段だと気付かせる」「相手の気持ちや都合を思いやれる」というような、基本的で道徳的なことを子どもに教えていくことも必要なのではないでしょうか。
10/15(火)から始まる「ゲーム機・スマホを知ろう!〜子どもを守るためのしゃべり場〜」(通称・しゃべり場)では、こういったことも保護者の皆さんで話し合い、考えていきたいなと思います。
たくさんの保護者が集まれば、それだけたくさんの意見を共有することができます。
ぜひ、お誘い合わせの上、ご参加ください!
【関連記事】合わせてご覧ください。
●中日新聞Web <子どもとネット>24時間パトロール 10/5
※写真は、中日新聞の10/5朝刊から引用しています。